Leica 3D Distoは、レーザー距離計と角度エンコーダが搭載された製品で、測定精度±1mm@10mを実現した3D測定機器です。建築の墨出し用途や製造過程での品質検査、研究室での3D計測などに使用されています。この3D Distoをセンサーとした、墨出しロボットが開発され、2023年より、建築現場での活用が始まっています。 墨出しロボットは、竹中工務店(大阪府大阪市)(EN)さまが、弛まない研究・開発の結果、2019年4月プレスリリース「自走式墨出しロボットの建設現場試験導入により実用化にめど」を発表、その後、量産化、市場へのリリースをするフェーズに至り、メーカーである未来機械(香川県高松市)(EN)さまと、ロボットを市場へ提供するサービサーであるレンタルのニッケン(東京都港区)(EN)さまにお声がけしたことにより、共同開発が始まりました。今回のインタビューでは、墨出しロボットを製造する未来機械さまに、ロボットの特徴などのお聞きします。 未来機械さまは、創業者三宅徹さまが香川大学大学院生の時に起業したスタートアップ企業であり、中東の砂漠向けに水を使用しない太陽光パネル清掃ロボットを世界で最初に実用化した企業です。2020年ドバイのメガソーラーで多数採用され、砂漠の過酷な屋外環境で長く使い続けられています。 昨年は新しい分野のロボット開発にも乗り出し、建設業界向け『墨出しロボット』や養豚業向け『AI豚カメラ』の商品化にも成功しています。 Background 墨出しロボットの最終型は共同開発されました。「砂漠向けソーラーパネル清掃ロボット事業で培った、屋外過酷環境で使い続けられるロボット製品の開発力が認められ、RX化による現場作業の効率化で労働力不足問題の解決を目指していた竹中工務店からの声かけによって、2022年竹中工務店、レンタルのニッケンおよび当社の3社で墨出しロボットの共同開発を開始することになりました。2023年、当社はこの墨出しロボットの量産を開始し、2023年11月には、レンタルのニッケンより国内建設業界向けにレンタルが開始され、建設現場での本格導入に向けて、多くの建設現場やプロジェクトでの試験導入が開始されています。」(松村敦さま/未来機械 営業・マーケティングユニット マネージャー) 現在の状況を鑑み、施工の効率性や生産性を向上するには、新しい観点からの開発やワークフロー構築も必要です。「墨出しは、コンクリートの強度が出た後に、資材の搬入中(後)に行う」という既成概念があることも事実です。しかし、墨出しロボットは、22kgという軽量化にも成功し、 コンクリートを打った翌日、コンクリートの強度が出ていない状態(重い資材や人が入れないタイミング)でも、墨出しロボットだけは稼働できる...