BLK3Dの中核機能であるステレオ・フォトグラメトリ・リアルタイム測定によるReality Captureワークフロー 多くの計測機器と同様に、最善の精度と安定した結果を得るためには、多くの関係する要因を考慮する必要があります。巻き尺やレーザー距離計にも同じことが言えますが、それらの考慮すべき事項はすでに《常識》となりました。
以下で説明する内容は、BLK3Dで測定する際に最善の精度を得るためのベストプラクティス詳細です。
Leica BLK3D: 精度 ベスト プラクティス
BLK3D インピクチャ測定の精度は、3つの変数によって決まります。
- 測定対象物までの距離
- シングルショット vs マルチショット: 測点の計算に使用する3D Image間のショット数とベースライン
- 撮像視点: 測定対象に対するLeica BLK3Dの向き (2D vs. 3D測定)
まず第一に: 近いほど正確な測定値が得られます。
より良い解像度とシャープな詳細を取得します。
最善の精度を得るためには、測定対象物にできるだけ近づけます。 測定範囲が大きい場合は、いくつかのエリアに分けて撮影します。
図1 対象物までの距離 (m, ft) 2.5m, 8.2'
図2 対象物までの距離 (m, ft) 5.0m, 16.4'
図3 対象物までの距離 (m, ft) 7.5m, 24.6'
図4 対象物までの距離 (m, ft) 15.0, 49.2'
最善の結果を得るためのマルチショット
2.5 m/8.2 ft 以上の距離で測定する場合は、常にマルチショット機能を使用することを推奨します。マルチショットとは、測定対象(現場)のImageを少しずつ異なる視点から連続して撮影するプロセスです。マルチショットで撮影すると、BLK3Dは各2つの画像間のベースライン距離が長くとるこが出来るため、長距離測定時の測定値を算出するフォトグラメトリ・アルゴリズムの精度が向上します。
下の表の緑の線は、ショット数と測定対象からの距離に対するインピクチャ測定の精度を表しています。
2.5m/8.2ftを超えると、シングルショットの精度は対象物までの距離が長くなるにつれて低下します。
-
公差は、長さ3m/9.8ft (奥行き20°未満)までの2D測定に適用されます。
-
3m/9.8 ft以上での測定と3D測定(奥行き20°以上)では、最大許容差が0.5%まで悪化する可能性があります。
マルチショットで撮るために:
- 測定対象物に円を中心にして目標します
- 最初のショットを撮ります
- 測定時に対象物に対して照射されるレーザーは、オブジェクトまでの距離を測定し、マルチショットの推奨有無を判断します。BLK3Dアプリの設定でレーザーをオンにする必要があります。
- 追加ショットが推奨された場合、次のショットのために移動するためのベースライン距離の目安を示す矢印が表示されます。
- 表示された長さに基づいて、左右にどちらか移動し、次のショットを撮影します。矢印が表示されている限り、このプロセスを続けます。この移動距離(サイドステップ)は、対象物までの距離の約10%を目安にしてください。
例:
測定対象がBLK3Dから10m/32.8 ft離れている場合、矢印は次のショットを横方向に1m/3.2 ftの動いた場所で撮影する必要があることを示します。1回目のショットと2回目のショットの間に1m/3.2 ftのサイドステップを取ります。2回目と3回目、3回目と4回目のショットの間も同じ距離を使用してください。
最後に、大切なこと
BLK3Dで最善の結果を得ること、スマートフォンで綺麗な写真を撮ることと似ています。スマートフォンの画像と同様に、すべてのカメラレンズは画像の周辺部に歪みが発生します。そのため、画像の中心部での測定が最適です。画像をうまく合成することで、一貫した/安定した精度が得られます。
ピクセルの選択も同様に重要であり、BLK3Dで画像を撮影する際には、被写体の範囲を優先することを推奨します。 取得したImageの詳細度が高いほど、測点の選択が平易になります。
3D Imageをキャプチャする時に最善の精度を得るためのヒント:
- 対象物からの距離が2.5m以上の場合は、必ずマルチショットを撮影してください。
- 測定したいすべてのオブジェクトが、撮影したすべてのショット内に表示されるようにします。
- 測定したい対象物にできるだけ近づいてください。 測定範囲が大きい場合は、いくつかのエリアに分けて撮影します。
- 重要な測定の場合は、マルチショットで分割して撮影してください。 対象物に向かって正面に立ち、BLK3Dの視野の中央50%内に入るようにすることで、高精度のデータを取得できます。 最も高い精度で測定する機能は、BLK3D本体に内蔵のレーザー電子距離計(EDM)で、標準+/-1mm以下です。 レーザーEDM測定は、BLK3Dの「ツール」メニューから、現場でインピクチャ測定に関連付けることができます。
- 対象物に適切な量の光を当てて下さい。 内蔵のLEDフラッシュ、またはオプション品のLEDランプアクセサリーを使用してください。 適正露出を得るようにします。
- デバイスを安定させ、撮影することによって、高精度の3Dイメージを生成できます。 三脚、一脚、内蔵タイマー機能を使用すると、本体を安定させることが出来ます。